Q:海の市場◯で働くことになった経緯を教えてください。
高野(トップ写真左) —— 私は、新卒で入社した銀行で32年間、定年退職するまで勤め上げました。金融畑をずっと歩んできた元銀行員です。
高野 —— 西田社長とは、高校のときの同期の仲なんです。私が銀行を退職してから間もないタイミングで、「うちで働かないか」と電話で誘われました。田舎はそういう情報が回るのが早いのかもしれませんね。サービス業は自分にも合っていたので、社長のオファーを受けることにしました。
徳丸(トップ写真右) —— 僕は飲食店で料理人として仕事をしていました。地元佐伯に戻ってきて、とりあえずハローワークに行って見つけたのが海の市場◯の求人でした。料理することはもちろん、人と話すことや関わることが好きな自分にとって、ピンときたのがここでした。
Q:海の市場◯ではどんなお仕事をしてきましたか。
高野 —— 入社してしばらくは事務作業に没頭していました。当時は、鮮度壱番はまだなくて、海の市場◯だけで野菜や果物まで取り扱っていました。毎朝、担当者が青果市場に仕入れに行ってたんですが、その担当者が体調を崩してしまって。それで急遽、私が代わりに仕入れを担当することになりました。
高野 —— 相場はわかると言えばわかりますが、セリなんて参加したこともなく、右も左もわからないのと同然でした。それでも仕事なので、なんとか見様見真似で覚えました。大変でしたね、正直。でも、とても勉強になりました。そんな環境もなんとか乗り越え、入社から1年ほどたったとき、前任者に代わって店長を任されるようになりました。
Q:海の市場◯で、今どんな役割を担っていますか。
徳丸 —— 僕は、海の市場◯で取り扱う1,000点以上の商品管理を任されています。発注業務や在庫管理、品出しはもちろんですが、お客様の生の声をヒアリングしたり、その内容を商品の販売状況と合わせてメーカー担当者に報告するなどのコミュニケーションも率先して行っています。
徳丸 —— 佐伯のケーブルテレビが月に一度来てくれるので、「今月のおすすめはこれ!」という感じで商品や調理方法などワイワイ楽しく紹介しています。料理人としての知識経験を活用できるのはもちろん、人と関わることが好きな性格がとてもプラスに働いていると思います。すっかりこのキャラクターが馴染んだのか、お店にいらっしゃるお客様にも名前で呼んでいただける機会が増えました。
高野 —— 前職でもずっと人材管理を任されていました。その経験を最も活かせたのは、スタッフが辞めない、効率的に業務を遂行できる環境づくりにおいてだったと思います。キーワードは「効率よく、楽しく働く」ですね。
高野 —— 仕入れから在庫管理、商品陳列、接客、そしてレジ業務。さらに、電話・FAX・ネット注文の梱包や配送作業。私たちはこれら海の市場◯の業務を社員6名、パート14名でなんとかこなしています。お中元やお歳暮の時期は特に大忙しです。業務が多くても、簡単に人を増やせるわけではありません。人材のリソースはとても貴重です。だからこそ、業務の効率化には力を入れてきました。
高野 —— どんな人材であれ、まずは任せてみることを意識してきました。それこそが、成長できる機会だと考えているからです。そして、どれだけ忙しくても極力残業しないで帰ってもらうようしました。結果的にすぐに辞めてしまう人が減り、良い人材に中長期的に働いてもらえるようになりました。組織全体としての作業効率も大幅に上がりました。
Q:店内でも頻繁に二人でコミニュケーションしているそうですが。
高野 —— 徳丸さんのことはいろいろと評価しています。実務の面でもそうですが、人となりについてもです。細かいことにもよく気がつくようで、お客様がいらっしゃったときにさっと手を差し出す姿をよくみます。
高野 —— コミュニケーションが上手でいろいろなアイデアや情報持っているので、徳丸さんには相談することが多いです。彼のアイデアを推したいときは、私が社長に掛け合うこともあります。普段の二人の会話は、友達感覚に近いかもしれません。
徳丸 —— 僕も店長とさりげなく会話できるのはありがたいと思っています。自分が気づいたことや、イベントのアイデアも聞いてくれますし、それを採用してくれることも多いです。単なる部下でなく、一人のメンバーとして認めてくれているのが嬉しいですね。
徳丸 —— そういう環境なので、母の日や父の日、あるいは敬老の日などのイベントに合わせた企画も積極的に考えるようになりました。ターゲットとなる商材選びから、陳列場所、そしてディスプレイの方法まで、頭も手もフル稼働で大変ですが、同時にやりがいも感じています。
徳丸 —— 苦労して企画をスタートさせたにも関わらず、思うように売上が伸びないときは、途中でも軌道修正するようにしています。何度も粘り強く課題に向き合う。そういう姿勢でトライを続けるうちに、少しずつ結果も残せるようになりました。去年の「父の日、おつまみ企画」は大成功で、社内外で高く評価してもらえました。
Q:海の市場◯をどんな場所にしていきたいですか。
高野 —— お客様に楽しく買い物してもらいたい。何度でも来てもらえる場所にしたい。それが私の思いです。お店を存続させるために、もちろん売上も大切です。でも、現場を見ているからこそ思うのは、売上をつくるための過程そのものも大事にしたいということです。
高野 —— 子供と一緒に、あるいは夫婦お二人で、楽しんで買い物されている様子を見るのが一番嬉しいんですよね。
徳丸 —— お客様が今何を求めているか、何を買っているか。常に意識しています。それにどうやったら応えられるか、それを一番大切に考えています。なんか居心地がいい、また買い物に行きたいな。そう思ってもらえるお店づくりを目指したい、その気持ちは高野店長と同じです。
徳丸 —— また買い物に来てくれた、また話しかけてくれた。そういう一つ一つが、僕にとってはモチベーションになっていますね。